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ホテル

ホテル(Hotel)とは、主に短期滞在の旅行者、ビジネス等出張者のための宿泊施設である。 法的には旅館業法に規定する旅館業のホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所営業である。旅館業法のホテル営業は客室の形式は、洋式の宿泊施設でありベッドを備えた洋室の個室が基本となる。ただし名称制限がないため、法律上、旅館営業、簡易宿所営業であってもホテルと名乗る施設も多い。ある地域にはじめてホテル営業をする場合は国際ホテルという名称を使用する[要出典]。大型のホテルでは、結婚式場やプールなどの設備を備える。目的に応じて、シティホテルやビジネスホテル、観光ホテル、リゾートホテルなど様々な形態がある。大富豪や芸能人など、まれにホテルに居住する者もいる。

歴史的に植民地には植民地ホテルが作られ、準公的施設として利用された。

ホテルの形態
ホテルの分類に関して明確な基準があるわけではなく、それぞれの概念はあいまいなものとなっている。また、何に着目して分類するかで、分類の方法も様々といえる。以下では主に日本でよく用いられる分類を挙げる。

なお、ホテルの機能や価格帯によって、5段階や6段階に星数などで分類することも一般的であり、海外のものでは、アメリカ自動車協会による評価や、フランスのギド・ミシュランなどが知られている。


[編集] シティホテル

シティホテルの例(ヒルトン東京)都市の繁華街に立地する大型ホテル。いわゆる有名一流ホテルと称するものの多くは、これに入る。シティホテルの語自体は和製英語である。都心部に立地するため投資コストが高い一方、集客力も高く、大規模で多機能なものが多い。それらは客室以外の宴会場やレストラン、プール、スポーツジム、物販(小売)テナントなどを有し、結婚式やディナーショー、講演会、株主総会など宿泊以外のイベントや法事などの利用にも対応できる。

客室タイプは、2人用であるツインルームが多く、客室の広さも比較的広く取られているため、エキストラベッド(ソファーベッドなど)を搬入して3人で宿泊することも可能な場合がある。料金は、ビジネスホテルに比べ高めに設定されているが、最近では各種宿泊プラン等の提供により、ビジネスホテルと大差がない場合もある。


[編集] ビジネスホテル

ビジネスホテルの一例、はまきたプラザホテル(静岡県浜松市)都市の繁華街(日本の場合は最寄駅前から徒歩10〜15分程度までの場所を中心とする市街地)に立地する、主に業務出張客の宿泊を想定した比較的小型で低料金のホテル。大手企業が運営する場合、同一グループのチェーンホテルとして全国に展開されていることが多い。なお、日本におけるビジネスホテルという業態を考案し、最初に始めたのは法華倶楽部(ホテル法華クラブチェーン・大正9年9月12日に京都にて1名1室形態の個室旅館を創業)である。

シティホテルとの違いは、ルームサービスが無い点。 料金を抑えるために、宿泊に特化した構造になっており、客室以外の付帯施設は最小限の機能にとどめられている。ホテルによっては、人件費節約および翌日の精算業務の省略を目的として、数々の合理化策がなされている。機械によるチェックイン/チェックアウト装置が導入されている場合や、プリペイドカードによるTV視聴システム、前払い方式などである。客室タイプは、一人用であるシングルルームが多い。さらに客室の広さも最小限に抑えてあることが多い。

客室からのブロードバンドインターネット接続が可能な施設や、海外のモーテルのように、おにぎりかパンと飲料程度の朝食を無料で提供するところが増えている。また従来は休息、寛ぎを重視するものが多かったが、直接照明を採用したり広い机の設置をして、ビジネス客や受験生向けに部屋での作業のしやすさを売りとするホテルも現れている。

海外におけるビジネスホテルは、エグゼクティブの使用を前提としたホテルを指すケースが一般的で、広々とした部屋に会議室等のビジネス設備や、フィットネスクラブなどが併設されているケースが多く、日本における一般的なシティホテルを指している。日本におけるビジネスホテルは、海外でのモーテルや欧州のベッド・アンド・ブレックファストを指すケースが多い。


[編集] 高級ビジネスホテル
ビジネスホテルの一泊あたりの室料は概ねシティホテルの価格より下であるが、大都市部に立地し、築年数が経過していない程中心価格帯が上がる傾向がある。特に東京など大都市圏では、上記のようなシングル5,000円前後のビジネスホテルも依然存在するものの、7,000円〜10,000円程度の高級ビジネスホテルが近年増加している。高級ビジネスホテルでは、レストランを併設したバイキング形式の食事の提供や、シティホテルとあまり変わらない広さ・設備を備えた客室、岩盤浴や大浴場などの施設の設置がなされており、シティホテルとの違いがベルボーイやドアマンがいるかいないか、もしくは結婚式場・チャペルの有無程度までになりつつあり、シティホテルとビジネスホテルの格差はあまりなくなっている(宴会場を設けているビジネスホテルもある)。

近年、高級ビジネスホテルが増加している原因として、ビジネスホテル同士や品川駅前・高輪など交通の便がよい箇所に存在するシティホテルとのビジネス客を取り合う競争が激化している一方で、コスト削減や価格競争には限度があり、東横インを始めとする低価格ビジネスホテルがコスト削減のために、身体障害者向け設備の排除、従業員のサービス残業などといった法令違反・条例違反などを起こしていたことが社会問題となった背景が挙げられる(東横イン不法改造問題参照)。


[編集] モーテル(モーターホテル、モーターイン)
モーテルの元々の意味は、アメリカ合衆国のような自動車や道路網が発達した広大な国で、自動車で旅行をする人を想定して設置された、セルフサービスを基本とするホテルである(英語版のMotel参照)。米国でのモーテルは、日本における、国道沿いや高速道路のインターチェンジ付近にあるビジネスホテル(前述)に近いものである。アメリカの場合、ほとんどは高速道路(フリーウェイ)の出入り口周辺の町の郊外に立地しており、かなり小さな町にまで存在することも多く、地域の社会インフラの一つとなっている。

形態としては、日本の「ビジネスホテル」同様、大規模なチェーン店のものから、小規模のものまで存在する。セルフサービスで荷物の運搬を楽にするため、車を止めて、短い距離で客室にアクセスできる構造になっているのが特徴である。アメリカでは、平均的な料金が一部屋で一泊40〜50ドル前後と比較的手ごろで、一部観光地などのハイシーズンを除き予約なしで利用できることから、非常にポピュラーな宿泊施設として定着しており、客層もビジネス客、男女のカップル、家族連れとさまざまである。

イメージ的には、大手チェーン店のものは日本の「ビジネスホテル」、個人経営に近い小規模なものは「旅館」「民宿」に近いが、客室は家族連れも想定したセミダブルベッドのツインルームが基本で、面積も日本の一流シティホテル並みの広さがある。

日本では、車で入ることができる「ラブホテル」の意味で用いられることが多かったが、本来、米国ではこのような意味はない。近年、日本においても、米国における意味でのモーテルという語が知られるようになるとともに、車で入ることができるラブホテルが一般化したため、ラブホテルに対してモーテルという呼称はあまり使われなくなっている。


[編集] リゾートホテル

リゾートホテルの客室の例各種の観光地や温泉、高原などのリゾート地に立地する宿泊施設。旅行者が主要な宿泊客となる。観光業の発達と共に発展し、大規模なものから小規模のものまで存在する。大規模なものでは、レストランや結婚式場などのシティホテルにも設置される施設のほか、より観光客向けにプールやプライベートビーチ、テニスコート、カジノなど多くの付帯施設を持つものもある。

日本では、主に温泉地で営業するリゾートホテルの場合、館内に共同大浴場や場所によっては露天風呂を持っている業態のホテルも多いため、旅館との区別が曖昧である。家族連れや団体での利用を想定しており、靴を脱いでゆったりとした気分を味わってもらうため、畳敷きの和室を設けるホテルも多く、洋室と和室を兼ねた和洋室が用意されていることもある。館内での浴衣、スリッパ履きが許容される場合が多い。またシングルルームは極端に少なく、皆無というケースも多い。ほとんどが旅館業法のホテル営業ではなく旅館営業である。料金は、他の業態のホテルでは見られない一泊二食で設定されている(夕食や朝食がセットになっている)こともあり、時期によって大きく異なる。なお日本旅館がホテルの呼称を用いているケースも多い。

これに対し、海辺・高原などで営業するリゾートホテルの場合は、シティホテルと同様洋風のシステムを用いている場合が多い。


[編集] カプセルホテル

カプセルホテルの客室の例カプセルホテルはカプセル状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。日本独自の形態のホテルである。旅館業法ではホテル営業ではなく簡易宿泊所営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のもののほか、サウナ店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。

詳細はカプセルホテルを参照


[編集] ラブホテル(ファッションホテル、ブティックホテル)
高速道路のインターチェンジ周辺、幹線道路沿い、あるいは、駅近隣の特定地に立地しており、カップルでの利用を想定しているホテル。略称「ラブホ」。日本独自の形態のホテルである。俗に「連れ込み宿」とも呼ばれ、自動車で向かうラブホテルのことを、初期には「モーテル」とも呼んだ。性交目的に利用することを想定しており、構造は一般的なホテルとはかなり異なる。

入り口に垂れ幕があったり、外部から見えにくくしていたり、内部も他の客や従業員にできるだけ会わずに入室できる工夫がしてある。客室も同じ部屋はほとんどなく、ベッドにも工夫が凝らしてあり、浴室なども豪華に作られている事が多い。客室は写真などで選べるシステムになっている。外部の看板も、派手なネオンサインが光っているのも特徴の一つ。

利用目的が、他のホテルと大きく異なる為、料金も宿泊のほか、「休憩」名目で3時間で○○円というような体系があり(近年では一般のシティホテルなども日中の短時間利用(デイユース)が可能な施設も増えている)、法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称・風営法)の適用を受ける。このような形態のホテルは、香港や台湾、韓国など他の一部のアジア諸国にも存在する。多くは日本のラブホテルをモデルにしている。なお、ブティックホテルの呼称は、作家・前長野県知事の田中康夫が発案した。ただし、アメリカでのブティックホテルとは日本でいうデザイナーズホテルに相当する。

近年では、日本でもデザイナーズホテルのことを「ブティックホテル」と呼ぶこともあり、使用が曖昧となっている。

詳細はラブホテルを参照


[編集] その他

スウェーデンのアイスホテルその他、一般的でないホテルとして、アイスホテルや洞窟ホテル、水中ホテルなどが挙げられる。

アイスホテル
アイスホテルとは湖などから切り出した氷や雪によって作られたホテルである。スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国やカナダなどで、冬季の寒さを利用して建設される。春になると溶けてしまうので基本的に冬季限定であり、毎年再建される。どのような施設が作られるかはそのホテルによるが、観光客向けのホテルであり、様々な趣向が凝らされる。
英語版のアイスホテルも参照。
洞窟ホテル
洞窟ホテルとは、自然の洞窟を利用して作られたホテルであり、部屋が地下に存在するものである。スペインやトルコ、オーストラリアに建設されている。

[編集] ホテル・ビジネス

[編集] 所有・経営
ホテルの経営形態は、所有や経営などの組み合わせによっていくつかに区別される。

直営
自社でホテルの土地建物を所有し、自ら経営・運営にあたる方式。自社の系列子会社に経営をさせる場合もある。ホテルのブランドや経営ノウハウも自ら構築しなければならない。ホテル専業企業や、航空会社・鉄道会社などによく見られる。
リース
土地建物のオーナーから、ホテル運営企業がホテルを借りて経営する方式。オーナーが建物を骨組みだけの状態で貸す場合と、内装や設備まで込みで貸す場合がある。
運営の委託
土地建物を所有しホテルを経営するオーナーが、運営についてはホテル運営企業と管理運営委託契約を締結して運営を委託する方式。ホテル運営企業は、総支配人などのホテル幹部の派遣、ブランド使用権や運営ノウハウの提供、チェーンブランドを利用した販売促進などを行う。それに対してオーナーは運営委託料を支払う。
フランチャイズ
オーナーが所有し、自ら経営に当たるが、ホテルチェーンとフランチャイズ契約を結んでブランド使用権や運営ノウハウの提供を受ける方式。フランチャイズ加盟ホテルは、チェーン本部に対して加盟料を支払う。

[編集] 収益
ホテルの収益構造は、そのホテルの立地や形態によって大きく変わるものであるが、概ね以下のように言うことができる。


[編集] 収益部門
主要な収益源として、宿泊部門・レストラン部門・宴会部門が挙げられる。

宿泊部門
宿泊部門は、ホテルの基幹となる部門であり、ホテルである以上全てに存在するものである。宿泊施設の設置には相応の土地・建物を必要とするものの、客室清掃やベル・パーソンの仕事はパート・アルバイトなどを利用することが出来、また繁閑に合わせて人員数の調整やアメニティグッズの調達をすることができるので、運営に際して経費は低く抑えることが出来る。そのため部門の利益率(部門の売上からその部門に直接関係する運営経費のみを引いたもの。ホテル全体の費用、例えばホテルの広告費や管理部門の人件費などを配分しないで計算される。)は60パーセントを上回ることも可能である。近年では清掃業務などのアウトソーシングもよく行われている。
レストラン部門
レストラン部門の利益率は、その業態によっても異なるが一般に低くなる傾向にあり、20パーセント程度と見られる。レストランの設置には宿泊部門ほどの面積は必要とされないが、運営に関しては、調理・サービスにある程度の熟練者が必要とされ固定人件費がかかり、また食材などは売れ残れば廃棄となるため、経費は高いものとなる。ホテル直営のほか、外部の有力レストランをテナントとしていれることも行われている。宿泊客だけでなく地元客による利用も大きな割合を占める。
宴会部門
宴会部門は、予約が事前に確定するため、食材等を効率的に用いることができ、また宴会でのサービスに関してもアルバイトや派遣社員を利用して、受注に応じて対応できるため、レストラン部門より高い利益率が可能である。但し、宴会の中でも大きな割合を占める結婚式においては、特別な用意が必要となり、外部企業に対する業務委託などが大きくなるため、一般の宴会より利益率は低くなる傾向にある。ホテル外部に出張して宴会にあたる、ケータリングも行われている。レストラン部門とあわせて料飲部門と呼ばれ、総料理長が置かれる。

[編集] 売上構成
地価の高い日本においては、土地面積を宿泊施設ほど必要としない、料飲部門が重視される傾向にあり、各ホテルはレストランや宴会部門の強化に力を入れてきた。そのため、宿泊以外の部門の売上が全売上の6割から7割に達することも珍しいものではない。その点からすると、日本のホテルは外食産業的な側面が強いものであるといえる。

不況や、それに伴う企業の宴会需要の低下、あるいは外資の参入による競争の激化などで、多機能なシティホテルやリゾートホテルは厳しい状況にもあり、そのような中、収益率の高い宿泊部門のみに特化したビジネスホテルや、あるいはブライダル特化ホテルなど、特徴を打ち出したホテルが多く見られるようになった。





[編集] 客室の種類
シングルルーム(セミダブルルーム)
1名用客室。シングルサイズベッドの他、近年日本ではセミダブルベッド(幅120~140cm程度)が用いられているホテルも多く、後者の場合はセミダブルルーム(シングルルームの二人使用)として、割安で利用出来る場合もある。
ダブルルーム
2名用客室で、ベッドはダブルサイズ(幅160cm程度)の他、高級ホテルではクイーン(幅180cm程度)やキング(幅200cm程度)が設置されている場合が多い。特に高級ホテルではシングルルームを設けず、1人客にはダブルルームの1名使用(シングルユース)で対応する所も多いが、1人客が中心のビジネスホテルでは設定していない所が多い。
欧米のホテルでは概して最も多く設定されている客室形式であり、海外旅行の際にツインルームを希望しても、ホテルによってはツインの設定数が少ないために手配に苦労することもある。欧米では夫婦やカップルは一つのベッドで寝るのが一般的であるため、日本人でも夫婦・カップルの宿泊客にはダブルルームの部屋が割り当てられることがよくある。
ツインルーム
2名用客室で、シングルベッドまたはセミダブルベッドが2台設置されている客室。特に日本のシティホテルでは多く見られる形式である。
トリプル(ツイン・ダブル)
エキストラベッドという可搬式ベッドをツインルームに設置したり、予めツインルームに備え付けられているソファベッドを用いてベッドを3つ揃えたもの。チェックインの際には用意されておらず、夕刻になると係がエキストラベッドを運んできたり、ソファベッドのベッドメイキングにきて初めてトリプルになることも多い。
トリプルルーム
3名用個室で、予め3台のベッドが備え付けられている客室であるが、決して一般的ではない。旅行会社などのパンフレットにトリプルルームと書いてあっても上記のツインルームのトリプルユースである場合がほとんどなので、十分確認する必要がある。
フォース・ファミリールーム
トリプルルームにエキストラベッドまたはソファベッドを追加設置したり、予めベッドが4台以上設置されているもので4名以上が滞在できる客室。リゾートホテルやテーマパーク周辺のホテルに多い。和洋室の場合もあり、2人がベッドで、2人が布団を使用することになることもある。
エグゼクティブ/デラックス/コンフォート/スーペリア ルーム
一般客室(スタンダードルーム)よりも部屋面積が広く、大きめのベッドやソファなどが設置されていたり、バスルームとトイレ・洗面所が仕切られているホテルもある。日本や海外の高級ホテルではスーペリアルームとスイートルームのみ設置しているホテルが多い。
一般的にはシングル・ツイン・ダブルルームに設定されており、サービスはスタンダードルーム宿泊に準じるのが通常ながら、エグゼクティブフロア(→#付加サービス)を設置しているホテルでは優遇される。
SOHOタイプ/ビジネスルーム
書類仕事や受験勉強などの知的作業を要する客のために、明るい直接照明や広い机、パソコンやファクシミリなどのOA設備の設置、OAチェアの採用など、快適な仕事環境を重視したもの。その具体的なサービスの内容はホテルによって様々であり、たとえ仕事に適した配慮をしていても、それを一般の客室と区別していない場合もある。主にビジネス客を主要な顧客とするホテルに見られ、2004年ごろから増加した。
なお、客室内にはそれらの施設を設けず、上記のような設備を備えたスペースをビジネスコートなどとして有償または無償で提供するホテルもある。
スイート
英語でSUITE(「続き部屋」の意味)。マンションの一戸分に相当する。通常の部屋がベッドルーム(寝室)のみであるのに対して、独立したリビングルーム(居間)が付属している部屋のことをいう。高級な部屋になると寝室が複数あるものもあり、寝室の数により2ベッドルームスイート、3ベッドルームスイートなどという。また居間が完全に独立していないものをジュニアスイートという。
広く、高級な客室で、クイーンサイズのベッドが一つ〜二つまたはキングサイズのベッドが一つ以上設置され、大型テレビや広々とした浴槽などが配置されていることが多い。
ジュニアスイート以外のハイグレードなスイート(ロイヤルスイート等名称はさまざま)は、ベッドルームとリビング・ダイニングルーム、バスルームが分離しており、40平方メートル以上の部屋面積があり、添い寝やエキストラベッドを配置すれば四人以上が宿泊出来る。特にハイグレードなホテルでは、高級マンションの室内と見分けが付かないようなものもある。
ホテルによってはデイユースで、ルームサービスのランチをスイートルームで食事したり、昼寝するなどのプランを設けている所もある。
コンドミニアム/レジデンシャルルーム
主にリゾートホテルやコテージ・オーベルジュに設置されるもので、スイートルームと同レベルの広さと設備の室内に、大型冷蔵庫やキッチンなどの自炊設備があり、家族やグループの長期滞在に適しているもの。
コネクティングルーム
隣接する客室との間に扉があり、二つ以上の客室を一つの客室として使えるようにしたもの。通常は扉は施錠されていて(若しくはドアノブがあるのは部屋の内側のみで外側からは開けられない つまり二重扉)別々の部屋として使用されていることが多い。スイートと違って、それぞれの部屋は通常のツインやダブルの部屋である。




[編集] ホテルの設備

[編集] 照明
照明は部屋の機能性、雰囲気に大きな影響を与える。照明は、ホテル側(概して雰囲気を優先したがる)と客(概して機能性を求める)の意識が最もずれるところの一つである。また、客室の照明の様子は事前に知りたい/調べにくいことがらの一つである。「明るい部屋ときいてきたら、確かに壁紙の色が明るい色だった」であるとか、「蛍光灯ではあったが、ブラケット器具のなかの電球が蛍光灯式だった」だとか、「蛍光スタンド貸し出しのはずが、白熱灯(酷い場合には超小型の懐中電灯のようなもの)であった」など、フロントとのトラブルの要因にもなる。なお、一般的に間接照明は直接照明と比較すると、明るさの割には電力消費量が大きい。

多くのホテルでは、価格、等級によらず高級感・非日常性の演出や、あるいは汚れを目立たなくするというような点もあって電球を用いたシェード型のスタンドやブラケット器具をベースとした間接照明が採用されている。また欧米では間接照明が主流であり、日本のホテルの照明もそれに由来するという説も存在する。また、欧米のホテルでは、「ホテルで仕事をする」という発想事態がないことや、「欧米人の眼の構造(強い光に弱いとされる)」のせいか、日本のホテルの間接照明に比べてもさらに暗い部屋となっていることがある。

間接照明は、日常生活において明るい直接照明を用いている日本人の眼にはあわない向きもあり、しばしば単なる照明の不足と捉えられる。また、「ホテルではくつろぐのみであるべき(仕事や読書をするべきではない)」という考え方は、少なくとも日本の文化にはあわない。そのようなことから、間接照明は、特にビジネス客や受験生、家族連れ、年配客には不評であり、宿泊に不慣れな大学受験生向けには、宿泊の斡旋を行っている各大学の大学生協が毎年のようにこの点の注意喚起を行っている。薄暗い間接照明は、資料作成など職務としての出張では必須となる知的作業には不向きであり多大な苦痛を与える。また、薄暗い間接照明は、子供に恐怖心を与えるとの報告もあり、授乳にも支障をきたす。

これまでは「おしゃれは我慢」の精神論で殆どのホテルで間接照明であったが、ホテル不況もあり、2004年ごろから「ビジネスにもしっかり対応するよう、照明を明るくしたりするなど凝らし、差別化にやっき」といった報道がフジサンケイビジネスアイ等に流れるなど、一つの転機となった。また上記に挙げた問題点を踏まえ、2004年ごろから内資、外資問わず、日本国内あるいは、日本人向けのホテルにおいては、明るい直接照明を採用することで、受験生やビジネス客向けに快適な仕事環境を提供したり、ファミリー向けに清潔感や授乳のしやすさを売りにするホテルも増加している。また、SOHOタイプなどのように、部屋のタイプによって照明を変更し、直接照明の明るい客室を用意するホテルも増えてきて、大変好評を博している。例えば、「明るい直接照明と広い机」というコンセプトを売りにしているリッチモンドホテルズは、新興勢力であるにもかかわらず、J.Dアジアパシフィックなどの数々の顧客満足度調査において最高の評価を続々と得ている。また、明るい直接照明を採用したファミリー向けのホテルは、比較的高価であるにもかかわらず、多くの固定客がつくなどホテル不況にあって極めて強い競争力を有して
いる。

反面、日本においても一部の富裕層が、自宅の一部にホテルと同様の照明を取り入れる向きもある。


[編集] 机・椅子
ホテルの机や椅子は、一般家庭でいうところの化粧台に近い設計のものが多く、作業エリアが狭いことや高さや位置の調整が出来ないことなど、デスクワークを行うには不向きである。また、鏡が目の前にあり落ち着かないという人もいる。

このような問題点を解決すべく、最近ではOAチェアやオフィスを意識した設計の机を採用するホテルが増加しており、このような設備を設けた客室をSOHOタイプやビジネスルームとして用意したするホテルもある。標準の客室でもそのようなサービスを提供しているホテルも存在する。別途、下記のビジネスコートのような部屋を用意していることもある。


[編集] ビジネスコート
漫画喫茶やネットカフェのパーティションのような施設をビジネスコートと称して客室とは別に用意しているホテルもある。ビジネスコートにはパソコンや広い机、プリンタ、LAN、場合によってはドリンクバーや自販機、毛布の貸し出し等がある。また最近では、ごくまれに漫画の貸し出しや、軽食の提供なども行っている場合がある。


[編集] 空調
ホテルの空調は、大半がセントラルヒーティング方式であり、温度、湿度の細かな調整は難しい。そのため、極端に寒い/暑い思いをすることや、著しい乾燥によって眼が痛くなる、肌がかゆくなることがしばしばある。

また、部屋ごとに独立したエアコンを用意している場合でも、室外機が独立していないことが殆どで、季節の変わり目には、「寒いが冷房しか入れられない」あるいは「熱いが暖房しか入れられない」というトラブルがしばし発生する。

また、お湯を使って部屋を暖める特殊な暖房器具を用いているケースもよくあり、この場合には、夜中に不気味な異音が継続的に聞こえることもある。これが睡眠や作業を妨げる原因になることがある。

このような空調に関連する不便、不快さは新しいホテルでは改善される傾向にあるが、値段や新旧に関係せず発生するトラブルであり、また、事前に調べることが極めて難しい項目(フロントが正確に把握していないことがある)の一つである。


[編集] テレビ等
シティホテル・リゾートホテルは20〜25インチ、ビジネスホテルは14〜20インチ型程度のテレビが設置されており、通常の放送(当地のNHK・民間放送・NHK-BS1/2)のほか、CNNやBBCなどの海外の放送や一般映画、アダルトビデオが視聴できるテレビ受像機を持つ施設が多い。

通常のテレビ放送は無料であるが、映画の視聴は有料である(一般的に「PAY TV」と呼ばれる)。有料放送の古くは100円硬貨を投入し、専用のVHS・レーザーディスクで放映される一般映画・アダルト作品を視聴する形式であったが、現在はプリペイドカードを購入して視聴するか、リモコンのPAY(課金)ボタンを押してチェックアウト時に精算する方式が主流である。なお、プリペイドカードを購入するテレビ視聴システムは、現在ほとんどのホテルにおいて委託設置であり、ホテルが設備を直接購入するのではなく、業務委託を受けたレンタル会社が100室規模のホテルでおよそ500万円程度になるテレビ・配線設置工事・BS/CS等の視聴システム費用を負担して、視聴カード売上の10%〜20%をホテルへ支払う形式となっている。

地上デジタル放送の完全移行が今後なされる中、アナログ放送受信であるホテルが大半を占める一方で、地上波デジタル放送対応の液晶テレビに設置替えしたり、デジタル放送対応のセットトップボックス・デジタルチューナー等と既存のテレビをAV端子で接続して対応するようになりつつもある。


また、ここ3年程度に新築されたホテルには小型(20V型程度)の液晶テレビあるいは後述のテレパソが設置されているものの多く、御三家と言われる高級ホテルを中心に、一般客室に小型の液晶テレビが、スーペリアやスイートルームでは30V型〜50V型の大型薄型テレビに設置替えが進んでおり、特に大型薄型テレビのメーカー(パナソニック・シャープ・ソニー・日立製作所など)では、購買意欲のある富裕層がそのスイートルームなどで見たテレビの印象で、実際に同じメーカの薄型テレビを自宅向けに購入する事が有り得るので、ホテルとメーカーの営業間で導入合戦が繰り広げられている所もある。
なお、2005年に東京ケーブルネットワークによってホテル専用ヘッドエンド装置が開発され、光ファイバー1本で安価でホテルへ多チャンネルが供給されるようになり、都心の外資系高級ホテルや御三家と呼ばれる国内最高級ホテルの一部を皮切りに大々的な展開が始まっている。

カプセルホテルや一部のビジネスホテルでは、100円硬貨を投入して視聴するテレビを設置している店舗が多い(この場合、一般放送は無料だが、稀に有料としているホテルもある)


[編集] テレビパソコン
ホテルチェーンを中心に、テレビの代わりに、略して「テレパソ」と呼ばれる様なテレビ一体型のパソコンを設置する所も増えている。基本的にはLAN(ブロードバンド)と接続され、無料の通常テレビ放送の視聴の他にウェブサイト閲覧が一般的に出来る(使用料・オプション料が必要なホテルもある)。 このほか自分のメールアカウントに接続してメールの送受信、インストールされているオフィスソフトを用いての文書作成などが出来るホテルもある。ペイテレビはパソコン画面上で積算確認の上、VODによるストリーミング配信か、パソコンに内蔵または外部接続されているチューナーを通して視聴される。

20V型程度の液晶テレビを設置する費用の数割増程度のコストである事が多いので、今後も導入が続くものと思われる。


[編集] VOD
ビジネスホテルを中心にPAY TVに打って変わって、近年ではVODが市場を獲得し始めている。VODはPAY TVの垂れ流し放送から、時間を気にせず好きな作品を好きなだけ見ることができる通信型への視聴方法へ大きく変化をもたらせた。通常、VODサーバと呼ばれるサーバ群をホテル館内に設置し、客室へLAN配線を行い、テレビに接続されたSTBが映画を再生する。しかし、サーバ費用が導入コストとして非常に高価なことから現在ではインターネット網を利用したNW配信モデルが登場。サーバを設置することなく、高画質な映像を客室にて楽しめるようになった。


[編集] アメニティグッズ
ホテルには客室内の洗面台(ユニットバス内など)付近に、個別包装されたコットンや耳綿棒・化粧水・T字剃刀・櫛・歯ブラシなどのアメニティグッズが、また客室の宿泊約款ファイル内にはホテルの封筒・便箋・絵葉書が備わっていることが多く、これらは特に注記がない限り持ち帰りが可能である。 また、高級ホテルの中には(特に女性客用の)アメニティグッズに一流ブランドのものを使用しているところもある。

しかしながら、浴衣やバスローブ、タオル、グラス、灰皿など上記以外の調度品は基本的に持ち出し禁止であり、万一持ち帰ると、後日実費を請求される事が多い(言うまでもなくこれらの持ち出し行為は犯罪であることを認識すべきである)。ただしホテルの中には、浴衣やバスローブのプレゼント(宿泊時に使用したものを持ち帰り可)付宿泊プラン等を設定している場合もあり、このようなプラン利用の場合は当然持ち帰ることができる。

客室で使われるタオルやアメニティグッズを、別途販売しているホテルも存在する。


[編集] トイレ・浴室
ホテルの多くの客室には、トイレ・浴室が備え付けで設置されている。温泉場のリゾートホテルでは、大浴場がメインの浴室となっていることが多い。

浴室は洋式トイレと浴室が一体になった形式(日本ではTOTOやINAXが開発したユニットバス)が多く、シャワーカーテンを引かずに入浴、シャワーなどをすると浴室内の床に浸水する場合がある。浸水し、他室に漏れるようなことがあると、賠償料金を請求される場合もあるので注意が必要である。シャワーブースが別にしつらえていたり、ビデが用意されているケースも多い。しかし京都のシティホテルなどでは、日本式の浴室を取り入れている店舗もあり、徐々に全国的にも日本式浴室を取り入れたホテルが増えてきている[要出典]。

温水洗浄便座についても、高級ホテルのみならず、最近ではビジネスホテルでも導入されているところが多い。


[編集] 電話回線
多くのホテルでは、客室に電話機が設置されている。しかし、この電話機は、一般家庭の固定電話と同様な使い方ができない場合が多い。

多くのホテルの場合、客室の電話機は内線電話であり、フロントとの連絡を主とした使い方がなされることを想定している。また、この電話機から一般の電話に対して発信をすることは可能であるが、逆に一般の電話から直接着信することは多くの場合は不可能である。

ただし、ホテルの客室で外からの電話を受けたいときは、一旦ホテルの代表番号(フロント)に掛けてもらい、それから客室に転送してもらうことは可能である。こういう手続きが必要なのは、多くの場合その電話機ごとに電話番号が割り振られておらず、構内交換機を利用して電話端末を接続しているためである。

また、0120番といったフリーダイヤルの利用について、本来請求されるはずのない電話料金をフロントにて請求されることがある。これはホテル内に設置されている構内交換機が、フリーダイヤルを無料電話として認識していないのがその理由である。したがってフリーダイヤルが利用可能であるかどうかを、あらかじめホテルに確認しておく必要がある。

ホテル客室の電話機では、電話機の操作によって、特定の時刻に着信ベルを鳴らすモーニングコール機能が付いているものが普通である。

なお、一部のホテルでは、客室内の電話機に外部から直接掛けてもらうことが可能である。こういったフロントを通さない電話を直通電話と呼ぶ。一般的にはNTTのダイヤルイン契約によって1台ずつ電話番号を割り当てている場合が多いようだ。このサービスは、海外のホテルで割と多くみられるが、日本では高級ホテルでもあまり存在しない。

通話料は別途請求(多くは一般の通話料にホテル側のマージンが上乗せされている)される場合が多い。

電話回線を二つ以上設置している場合もある。一部では、通話料の安いIP電話を引き、国内の固定電話への通話料を無料としている施設もある。

近年では携帯電話の普及により、外線通話を利用する機会は少なくなっている。


[編集] インターネット回線
インターネット普及前までは、客室にモジュラージャックがあるホテルは数少なかったが、インターネットの普及に伴って、ダイヤルアップ接続用モジュラージャックを設置しているホテルが多くなっている。こういったホテルでは、モジュラージャックにパソコンのモデムを接続して、ダイヤルアップ接続が可能である[1]。ただし、一般家庭の電話回線と違って、発信番号を少し変える必要がある(多くの場合、0をダイヤルして外線に接続される)。また、一部のホテルではモデムで接続しやすいように、ラインチェンジャーを貸し出す場合もある。

一方で、ホテルによっては従業員がその操作の仕方を全く知らないことも多々ある。

近年では、ブロードバンド対応ホテルとして、有線・無線LANを利用したインターネットへのアクセスが可能なホテルも増加しており、有線の場合はノートパソコンを持ち込んで客室のイーサネット端子に接続すれば、インターネットへのアクセスが可能となる[2]。このような施設では、LANケーブルや無線LANカードの貸し出しもある。LANによるインターネットアクセスは無料で使用できる施設が多い。

一部のホテルでは、ロビーなどに共用インターネット用パソコンや、サイバープチやアットステーション[1]などのコイン式インターネット端末(通常はワープロなどは不可能)を設置しているホテルも存在する。

^ プロバイダへのアクセスポイント番号が、ナビダイヤルなどの形で全国共通番号などとして提供されている場合、ホテルによっては、客室の電話回線から特殊な番号へ発信できない場合があり、接続できない場合がある
^ 電子メールは、加入プロバイダによっては、SPAM送信阻止の為に外部プロバイダからの接続の場合には利用できない場合があり、ウェブメールとなる事もある

[編集] ファクシミリ
ほとんどのホテルでは、客室にファクシミリ(FAX)は設置されていない。ただし大多数のホテルではフロントでFAXの送受信サービスを行なっており、フロントに依頼すれば送受信が可能である。なお、送信が可能でも受信が不可能なホテルもある。

一部のホテルでは、客室にFAXが備え付けられていたり、客室にFAXを貸し出すサービスがあったりする。この場合は客室での送受信が可能である。ただし、ホテル予約サイト楽天トラベル内に掲載されているホテルの「部屋設備・備品」欄に、「ファックス」や「ファックス(一部)」と記載されている例が多く見られるが、実際にはほとんど客室に設置されていない。また同様に、「部屋設備・備品」欄に「ファックス(貸出)」と記載されていても、実際に客室への貸し出しサービスがあるホテルはほとんどないので、楽天トラベルを通じての宿泊時には、電話確認するなど注意する必要がある。

パソコン通信やインターネットダイヤルアップ接続用にモジュラージャックを設置しているホテルの場合、そこに客が持参したFAXを接続すれば送信のみ可能な場合も多い。しかしながら可搬性に問題がある。

聴覚障害者に対するバリアフリーの観点からも、客室でのFAXの利用が可能であることは利点となる。


[編集] 冷蔵庫
ミニバー
小型の冷蔵庫の中に複数の飲料(ミネラルウォーター・ソフトドリンク・アルコール)やおつまみが配備されているもので、商品を消費した場合は備え付けの伝票に記帳するなどしてチェックアウト迄に精算する必要がある。冷蔵庫から飲料瓶を取った時点で「購入」として機械的に課金される旧式の冷蔵庫が設置されてあるホテルも存在する(後述)。ミニバー商品の価格はホテルのサービス料を含んだ金額とされ、市価の倍以上の価格である場合が多い。
冷蔵庫の外にあるもの(紙コップ一体型のドリップ式コーヒーなど)もミニバー商品としているホテルもある。
高級志向のホテル客室では、ミニバー利用者向けに複数のグラスが用意されたり、独立した食器棚(グラスが配備)の中に冷蔵庫(ミニバー)が設置されていたり、棚の中や下部にミニバーがある場合、その上部の引き出し部分が洒落たテーブルになるものなどがある。引き出しの中に、ウィスキーやブランデーのポケット瓶が多く入っていることもある(こちらも価格は割高)。さらにスイートルームやコンドミニアムでは製氷器や冷水器機能を搭載した大型冷蔵庫をミニバーとしている所もある。
ミニバーから飲料を抜き取った直後に販売がカウントされる(そのまま戻してもカウント前に戻らない)タイプもあるので、不必要に扱わない様に注意が必要。誤った場合はフロントに申し出れば通常、課金されない。
空の冷蔵庫
ビジネスホテルを中心に、何も入っていない小型冷蔵庫を設置している所もあり、ホテル内や近隣のコンビニやスーパーマーケットで買い出した飲料を滞在中自由に入れられる。
ホテル用の冷蔵庫は、就寝中の騒音を減らすために電源を止める機能が付いている場合がある。また、コンプレッサーを使わない、ペルティエ効果を使った冷蔵庫を使っている場合もある。


[編集] 宿泊管理、防犯
オートロック
客室ドアの施錠システムの一種。部屋(内側)からは自由に開けられるが、外側は解錠しなければドアノブが固定されて開けられないという仕組みが大半であり、外出時に施錠する必要がない。但し、外出・退出時には鍵を必ず持つ必要があり、客室に置き忘れたまま施錠されてしまった場合はフロント等に依頼してマスターキーを用いて解錠してもらうことになる。なお、(オートロックの有無にかかわらず)紛失した場合は鍵再製料などが請求される場合がある。
1990年代から新築されたホテルでは、通常の金属製の鍵ではなく、デジタル処理が可能な「カードキー」を使用する場合が増えている。
ドアサイン
ドアノブの外側に掛けるプレート。「部屋を掃除してください」「起こさないで下さい」の表記が表裏にあり、欧米でも同様であるが、「起こさないで下さい」の場合はチェックアウト時間を過ぎてもフロントから連絡せずに、時間外利用や延泊扱いで料金を請求する場合がある。
日本では掲示されていなくても滞在期間中の外出時に掃除・ベッドメイキングされる場合も多い。また近年新築のホテルでは、客室側のドア付近にスイッチがあり、それを押す事でドアサインと同等の事を廊下側ドア上部付近にあるライトで通知する事が出来るようになっている。
クイックチェックイン
リピーター客やホテルの会員を対象に、フロントで会員カードの提示や口頭で氏名・電話番号などを告げる事で、顧客システムに登録されている情報を用いる事によって、宿泊カードの記入が省略できるもの。
「自動チェックイン機」が設置されているホテルでは、係員と応対することなくチェックインと前金の支払が完了するものもある。
クイックチェックアウト
幾つか方式があり、一つは前金式のビジネスホテルで追加料金が無い場合はフロントに出向かずに、ロビー(フロント周辺)に置かれているポストにキーを投函する事でチェックアウトが完了するもの。
もう一つはシティホテル・ラブホテル・ビジネスホテルチェーンに設置されている「自動チェックイン/アウト機」にカードキーを投入すると自動で料金が計算されるので、現金・クレジットカード・デビットカードを投入して支払うとチェックアウトも完了する。
これとは別にラブホテルや一部のシティホテルの客室内にクレジットカード専用の精算機が設置され、出発時に客室内でチェックアウトが完了するものもある。

[編集] その他室内備品
ドライヤー・ズボンプレッサー・電気スタンド・電気ポットなど
枕(複数の枕を選べるホテルもある)・加湿器
聖書(日本ギデオン協会の協力による聖書普及を目的とした無料配布)
仏典(仏教伝道協会が配布。上記聖書とセットで置かれている事が多い)

[編集] ホテルの付加サービス
大浴場
温泉地などの観光地では必ずある。現在のシティホテルやビジネスホテルの大部分は各部屋で入浴できるが、部屋での入浴はしにくいとして広い入浴施設を好む人がいること、みんなで一緒に入浴したいなど大浴場を好む宿泊客もいるため、一部ホテルには設置されている。また、温泉地では当然だが、大都市でもボーリングして温泉が引かれている例もある。カプセルホテルはサウナと大浴場がセットになっている場合が殆んどである。
駐車場
別料金で、1泊あたりの計算の場合が多い。大都市・繁華街に立地するホテルでは提携しているタワーパーキング等周辺駐車場の利用も多く、一泊1000円以上も珍しくない。地方やその観光地周辺の宿泊施設では廉価あるいは無料であるのが普通。
自動販売機
市場価格(ホテル外のコンビニ・自動販売機での価格)より割高な場合が多いが、ビジネスホテルでは市価と同水準、もしくは市価より安価の所(東横イン等)も多い。アイスディスペンサー(自動製氷器)が併設される場合もある。
ビジネスセンター
パソコンやコピー機・電話などが設置されている。会議室が併設される場合が多く,宿泊者は廉価で借用できる。
ポイントサービス
各ホテル独自のもので、宿泊料・レストランの飲食料に対し5%程度、または1泊毎にポイントを付加し、ポイントを宿泊・飲食料に充当したり、一定のポイント数に達すると現金のキャッシュバックや景品(主に無料宿泊券・食事券・ホテル専用の商品券など)がプレゼントされる。クイックチェックインサービスが利用できるホテルもある。
会員組織
ホテル利用者を対象に募集されるもので、上記のポイントサービスの他に会報誌等の送付や、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトが無料サービスされたり、下記クラブラウンジの利用が可能である場合もある。提携カード型が多い。
クラブフロア・専用ラウンジ
高級ホテルの会員組織の会員または提携などで利用が認められた者のみ利用可能な施設。飲料サービスや軽食、チェックイン・チェックアウトがその場で行えるものもある。
基本的に正規料金での宿泊者に利用が限定され、会員であっても旅行代理店(予約サイト)からの予約や、宿泊プランを用いての宿泊時は利用不可とする施設も多い。
エグゼクティブラウンジ
通常客室とは別の特定階(エグゼクティブフロア等)や、スイートルームの宿泊者のみ利用可能なラウンジで、クラブラウンジと同様のサービスが提供されるものが多い。近年はシングルルームから設定されているものの多く、通常客室とエグゼクティブフロアの間取り面積が同一の場合は、数千円程度の割増料金が相場。高級ビジネスマンの利用が多いホテルでは会議室が併設されているケースが多い。
プール・フィットネスクラブ・スポーツジム
特段リゾートホテルでなくともこのような施設を付帯していることがある。スポーツクラブ運営企業が施設を賃借して運営するケースが多い。
ルームサービス
客室までの食事の出前。ホテルレストランと同じメニューが客室で食事できるものの有り、朝食のルームサービスも行うホテルもある。
マッサージ
ホテルによっては、客室にあん摩マッサージ指圧師を呼び、按摩やマッサージを受けられる。支払はその場で行い、チェックアウト時の合算支払は出来ない場合が多い。
ケータリング(デリバリーピザなど)
主にルームサービスが無い都市圏のビジネスホテルで、客室電話から直接業者へ注文を出すと客室のドアまで配達に上がるもの。支払はその場で行い、チェックアウト時の合算支払は基本的に出来ない。
コンビニエンスストア・売店
正確には付加サービスと呼ぶべきではないが、施設内、もしくは近隣にコンビニエンスストアが立地するか否かを重要視する客も多い。深夜・早朝に買い物をしたい場合や、ホテル内レストランや冷蔵庫の商品の価格に抵抗ある客がいるためである。売店は手っ取り早く特産品を買う場所として重要視する例があり、また地場産業にしても宣伝になる。

[編集] ホテル用語
ルームチャージ
室料。一人当たりの料金ではなく一部屋当たり料金。
チェックイン/アーリーチェックイン
宿泊の最初。13時から16時辺りに受付が開始される。アーリーチェックインは宿泊施設規定のチェックイン開始時間よりも早くチェックインを行うもので、原則追加料金の支払いが必要。
チェックアウト/レイトチェックアウト
宿泊の最後または滞在中の外出。ビジネスホテルは10時~11時、シティホテルは11時~13時辺りまでにチェックアウトしないとレイト(遅い)チェックアウトとなり、超過時間によって追加料金の支払が必要。宿泊施設によっては連泊中は全時間帯の滞在が可能な場合も。
会員組織や提携カードに入会すると、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトの料金が無料となるホテルも多い。
デイユース・デイタイムスティ
日中昼間の空き客室を利用して休憩が出来るサービスプラン。ラブホテルの「休憩」とほぼ同義。宿泊よりは安いので、カップル・家族連れ・ビジネスマンの休憩・仮眠に利用することが想定されている。スイートルームもデイユース利用可能なホテルではプチリッチなパーティや会食も出来る。ホテルに問い合わせてみると良い。
ルームクリーニング・R/C(アールシー)
客がチェックアウトした後の部屋の清掃の意味である業界用語。
連泊する場合チェックインの際にフロントで「お部屋のお掃除はいかがなさいますか?」と聞かれる場合がまれにあるが、それはそのホテルが基本的にはチェックアウト後にしか清掃を実施しないシステムになっているためで、客が望むなら無料もしくは有料で実施してくれる場合が多い。
基本的には客のいない時間に清掃を実施するので、日中にホテルから外出する用事が無い場合は清掃が実施できない。大規模もしくは高級なホテルであればどの時間帯でも客の望む時間に清掃を行うことがある。その場合ホテルによっては客室のドアノブに「掃除をお願いします」といった旨のプラカードを客自身の手によってかけるシステムがある。意味はそのものズバリであり、外出している間に館内巡回担当が見つけて掃除を手配してくれる。イタズラによって他の客によって外されたり付けられたりするといった事例から、ランプ点灯式(客室内からの操作)に変更したり、あるいはこのシステムを廃止しているホテルもある。
清掃内容は部屋や浴室の清掃はもちろん、タオルや浴衣(ガウン)・ベッドシーツ等の交換、アメニティやミニバーの補充などである。

[編集] 予約手段
当日満室で宿泊できない事態を回避するため、予め決まっていれば事前に予約するのが望ましく、また一般的である。特に都市部で国際会議や学会、見本市等が開催されている期間中は、近隣のホテルのみならずその都市内のほぼ全ての宿泊施設が軒並み満室となっていることも多く、宿泊できない可能性もある。 また、客室準備の都合や、業界内の慣例としていわゆる「飛び込み客」は歓迎されない傾向があるため(特に一流・高級ホテル)、事前予約はホテルに対するエチケットでもある。自身が宿泊を希望するホテルがすぐ目前にあっても、電話等で事前予約をしてから赴くのが望ましく、またスムーズなチェックインが可能となる(ただし、廉価なビジネスホテル等では「当日空室宿泊プラン」等と称して、飛び込み客を積極的に受け入れる施設もある)。

以前はホテルの予約係へ直接電話したり、旅行会社の窓口やJRのみどりの窓口で予約し宿泊クーポン券を購入する方法がほとんどであったが、近年はインターネットでの予約も一般化しており、ホテルの公式サイトの他、「じゃらん」や「楽天トラベル」などのような宿泊予約サイトが取り扱うシェアも大きい。これらのサイト経由の予約の場合、ホテルへ直接予約の場合と比べて格安となる場合も多く、人気の要因となっている。割引率はサイトや空室状況、シーズン等によって異なるが、場合によっては通常料金の半額程度にまでなる場合もある。独自の宿泊プランを用意しているサイトもある。 予約サイトによって空室数が異なる場合もあり、また満室表示となっていても実際にはホテル側で空室を抱えている場合もあるので、このような場合はホテルに直接問い合わせてみると良い(これは各旅行会社が契約により客室を一定数仕入れているためで、興業チケットの販売に関わるプレイガイドと興行主間との契約と同様である)。

直接ホテルへ問い合わせれば正確な空室状況が分かるが、直接予約の場合は宿泊サイトや旅行会社提供の料金(プラン)は適用されず、ホテル側提示の料金となることがほとんどである。ただし必ずしも高価となるわけではなく、むしろホテルによってはどのサイト・旅行会社よりも安価を提示する(ベストレート・ギャランティー)ところもある。

時間に余裕がある場合には、各種サイトや旅行会社、それに直接予約の場合の料金を入念に比較検討してみると良い。


[編集] 宿泊方法
宿泊当日は、フロントで氏名・住所・電話番号などを記入し、前金式のホテルでは代金を支払う。後払い式のホテルではチェックアウト時に精算する。一部の高級ホテルでは、一定額の現金(デポジット)またはクレジットカードのプリント(金額空欄の売上票を作成する)を要求されるケースがある。高級ホテルに宿泊し慣れていない者の中には、このようなシステムに不快感を抱く者がいる(各種旅行サイトの感想投稿欄に、不快感を示すコメントがしばしば見受けられる)が、各ホテルの宿泊約款に到着時に行う事として通常定められており、高級ホテルや海外のホテルでは極めて一般的なことである。フロントで氏名を記入する際、本名でなく偽名を用いると、私文書偽造罪に該当し、逮捕されるケースもある。

日本ではビジネスホテル等の廉価なホテルは前払い方式、それ以外の高級ホテルや観光地の旅館タイプのホテルではチェックアウト時に支払う後払い式が比較的多く、後者の方式を採用しているホテルは、多少なりとも客による「食い逃げ」「泊まり逃げ」犯罪(窃盗罪・詐欺罪)のリスクを負うことになる。

次に部屋の鍵を受け取り、その部屋に行くことになる。なお、部屋から外に出るときは、通常はフロントに鍵を預けるが、磁気カード式のホテルにおいては持ち出し自由の場合もある。またカード式の場合、宿泊の記念としてチェックアウトの際に、カードを持ち帰ることが出来るホテルも存在する(コードはチェックアウト後に変更され新しいカードも準備される)。

最終日には、電話代やミニバー代、後払い式の場合は宿泊料を精算し、キーを返却する。ミニバー代などの未収金が発覚した場合は後日請求されたり、クレジットカード決済の場合は宿泊客の承諾無く追加請求する場合がある(宿泊約款によって宿泊客は追加請求を承諾したとされるため)。


[編集] 類似施設
ホテルと類似した施設として、ユースホステル、ペンション、コテージ、短期賃貸マンション(いわゆるウィークリーマンション・マンスリーマンション)などがある。

また、これら以外に24時間営業のマンガ喫茶やインターネットカフェ、サウナ、健康ランドなどが事実上簡易宿泊所としての機能も有している。

詳細についてはマンガ喫茶、インターネットカフェ、サウナ、健康ランドを参照されたい。


[編集] 主要ホテルグループ

[編集] 国際チェーン
アコーホテルズ
インターコンチネンタルホテルズグループ(旧シックス・コンチネンツホテルズグループ)
カールソン・ホテルズ・ワールドワイド
シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツ
ジュメイラ・インターナショナル
スターウッド・ホテル&リゾート
ル・メリディアンホテル&リゾート
チョイスホテルズインターナショナル
ハイアットホテル & リゾーツ
ヒルトンホテル
フォーシーズンズホテル
ベストウエスタンホテルズ
香港&上海ホテルズ
マリオット・インターナショナル
マンダリン・オリエンタルホテルグループ
ラッフルズ・インターナショナル
フェアモント・ホテルズ&リゾーツ

[編集] ホテル加盟組織
リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド
プリファード・ホテル・グループ

[編集] 日本
参照:日本のホテル一覧


[編集] シティホテル中心
JALホテルズ
全日空ホテルズ
帝国ホテル
東急ホテルズ
ホテルニューオータニ
阪急阪神第一ホテルグループ
プリンスホテル
ポートピアホテル
ホテルオークラ
リーガロイヤルホテル
都ホテルズ&リゾーツ
京王プラザホテル
名鉄ホテルグループ

[編集] ビジネスホテル中心
アパホテル
サンルートホテルチェーン
東急イン
東急ステイ
スカイコート
東横イン
ホテルスプリングス
ワシントンホテル
スーパーホテル
ホテルアルファーワン
ホテルルートイン
グリーンズ(コンフォートホテル)
コート・ホテルズ・アンド・リゾーツ(旧マルコーイン系)
グッドイン
ホテルトラスティ(リゾートトラスト系)
名鉄イン
三交イン
ロイネットホテル(ロイヤルグループ)
ホテルモントレ
西鉄イン
名鉄ホテルグループ
相鉄フレッサイン

[編集] リゾートホテル中心
富士屋ホテル
ダイワロイヤルホテルズ
ホテル浦島
カラカミ観光
東急リゾート
東急リゾートサービス
Ambix ホテル&リゾート

[編集] ホテルを扱った作品

[編集] 歌
ホテル(島津ゆたか)
東京ホテル(美川憲一)
HOTEL PACIFIC(サザンオールスターズ)
リバーサイドホテル(井上陽水)
ホテル・カリフォルニア(イーグルス)
プライベートホテル(鈴木雅之、1991)

[編集] 小説
高層の死角、鍵のかかる棺、銀の虚城 ほか(森村誠一)
プリズンホテル(浅田次郎)
ホテル(アーサー・ヘイリー)
ホテルウーマン(山崎洋子)(1991年にフジテレビ系列でテレビドラマ化)

[編集] 漫画
HOTEL(石ノ森章太郎) - テレビドラマ化されている。
コンシェルジュ(原作:いしぜきひでゆき、画:藤栄道彦)

[編集] TV
東京ワンダーホテル(日本テレビ系列)
アトランタホテル物語(テレビ東京系列)
ホテルサンライズHND(テレビ東京系列)

[編集] 映画
グランド・ホテル(1932年)
THE 有頂天ホテル(2006年)

[編集] 関連項目
グランドホテル
クラシックホテル
旅行
航空会社
コンデナスト・トラベラー
コンシエルジュ
スチュワード
ペットホテル

引用:Wikipedia

旅館

旅館(りょかん)とは、宿泊料を受けて人を宿泊させるための、和式の構造及び設備を主とする宿泊施設のことである。営業については旅館業法に規定されている。

旅館の種類には、観光利用や行楽利用主体の温泉旅館や観光旅館、割烹旅館(料理旅館)などのほか、都市部にあるビジネスや修学旅行利用主体の商人宿(駅前旅館など)がある。一般には中〜大規模の施設から個人・家族的な小規模で行われているものまである。このうち、個人の住宅と同じような構造のものや、宿主が他の産業を主体とした兼業の場合は、民宿と名乗ることがある。

但し、旅館、民宿、ホテル、ペンションなどの名称の設定は経営者に委ねられる為、実際には各個のイメージ戦略などから規模の大小、経営形態に関わらず自由に名乗っているのが実情でもある。この為、これらの線引きはかなり曖昧になっている。

洋式のホテルと和式の旅館が混在しているという意味も含めて、日本独特の文化と考えられる。

[編集] 旅館と旅館業の違い

旅館業法では、旅館業としてホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の4種が定められている。単に旅館と言う場合には、このうちの旅館営業を行う施設のことを指す。


[編集] 特徴
要件ではなく、例外もある。 現代日本社会において和の風雅を感じさせてくれる場所として貴重な存在といえる。

客室が和室であり一部屋二人以上の設定
商人宿と呼ばれる比較的低価格のビジネス利用主体の旅館(いわゆるビジネス旅館)では、古くから1人1部屋利用が比較的多いが、観光旅館や温泉旅館では(とくに高級旅館の場合)、1部屋を2人以上で利用することを前提とした運営となっているところが多く、1人での宿泊を認めない場合も多い。泊まれたとしても1部屋の1人利用は大幅に割高にならざるを得ないのが現状である。

但し、原則2人以上での宿泊のみを認めている観光旅館や温泉旅館でも、旅行代理店が旅館と契約して行なっている一人旅向けの宿泊プランで予約すれば、1人1部屋の宿泊ができるが、やや割高の感は否めない。

一方、ホテルの場合1人で利用する客も多く、シングルルームの利用やツインルームの空室をシングルユースすることもある。

客室の座卓には茶筒に入った茶葉や急須、湯呑茶碗、畳の上または座卓上に湯の入った電気ポットまたは魔法瓶が用意され、利用者が茶を入れて飲むことができる。茶筒・急須・湯呑茶碗は茶櫃に収納されている。さらには菓子も座卓上に用意されている場合が多い。同様のサービスは民宿でも行なっているところがある。

和室の宴会場がある
団体客の場合、夕食の宴会はつき物といえる。

共同浴室中心
最近では、高級旅館を中心に部屋風呂やの普及が進み、露天風呂つきの客室を売り物にする旅館もみられるようになってきた。ただ、温泉旅館の場合、源泉から供給される湯量に制限があり、客室付きの露天風呂が実際に「源泉かけ流し」であるかは確認が必要である。また、歴史の古い木造旅館では部屋風呂の設置が構造上困難な場合もある。

部屋着として浴衣の使用
旅館では一般に、利用者に貸し出す浴衣を客室内に用意している(但し、商人宿では浴衣を用意していないところも少なくない)。

廊下や宴会場など、館内で着用可であるのはもちろん、温泉街では浴衣で外出することも可能。かつては宿に内風呂が無く、入浴には共同浴場に通うような湯治場もあり、温泉街では一般的にみられる傾向である。また現在では旅館のPRにもなるうえ、温泉地の湯の町情緒の向上にも一役買っている。一歩部屋を出るにも外出に相応しい服装であることを要求されるホテルとは異なる点である。

温泉街の旅館では、浴衣を着て外出する宿泊客のために、下駄や和傘も貸し出している。

女将
旅館の女性管理者である、女将(おかみ)がお客さんへのサービスや営業上重要な役割を担っている場合が多い。ただ、これは地域によって流儀が異なる。大概女将は、経営者の妻または女性経営者である。接客の際は和装であるのが通例である。

仲居
高級旅館あるいは伝統を重んじる方針の旅館では、女性接客係である仲居(なかい)が各部屋での接客を担当する。服装は女将同様に和装であることが多い。

一泊二食付きの料金設定
前述のとおり客室が和室であるが、通常は宿泊料金が食事代込みとなっており、多くは夕食・朝食ともに込み(一泊二食付き)の設定となっている。これに対しホテルの場合、食事の有無は選択できることが多い。しかし、素泊まり(食事なし)や夕食のみ、朝食のみでの宿泊を認めている旅館もある。ビジネス客主体の商人宿(駅前旅館など)、今日のビジネス旅館では食事なしの「素泊まり」又は朝食のみの設定のことも多い。

食事の選択権がない
以前は食事の選択権がなかったが、これは評判が必ずしもよくない。

最近では、食事は数種類のプランが用意されて、宿泊客が選択できる旅館もある。料理旅館のみならず、観光旅館や温泉旅館でも、郷土料理や地元名産の食材を用いた料理など、食事の質の高さをセールスポイントとしている旅館が多い。

食事の量が多すぎて女性や高齢者など小食の人が食べきれないという問題もあり、そのような宿泊客への配慮から、かつてに比べて食事の量が少なめになっており、また、量を少なめにしながら質を向上させているところが増えている。

なお、食事は館内の大広間や食堂で供するところもあるが、仲居が客室内まで運んで膳で供する、いわゆる「部屋食(へやしょく)」が一般的である。原則部屋食の旅館でも、多人数の団体には客室でなく宴会場などの大広間で供する場合が多い。

サービス利用時間の制限
サービス利用時間が自由でなく、食事の時間や入浴の時間帯が指定されることが多い。また、チェックアウト時間もどちらかというと早めに催促されることがある。業務運営上の都合とはいえ、これも評判はよくない。

営業システム・予約システム・インターネットでの情報提供
電話等の直接予約のほか、旅行代理店や観光案内所を通じた予約も出来る。

ただし、旅行代理店を通した場合、旅行代理店の契約マージンが発生する為、通常宿泊料金の10%から25%が宿泊料金に上乗せされる場合もある。この為、手馴れた旅行者の中には、インターネットなどで内容を見てから、電話予約する場合が多い。

インターネットでの空室情報の確認はできる施設は増えてきたが、インターネットのみで予約が完結するシステム等は採用していない場合も多い。しかし、旅館や周辺の観光スポットの情報提供は現代では必須となっており、全く対応していなかったり、更新が遅れている状況であれば逆に質が疑われても仕方ない状況になっている。

宴会における芸者・コンパニオン
もちろん必須ではないが、芸者・コンパニオンを呼ぶことがある。温泉地等には昔は芸者置屋、現在ではコンパニオン派遣業者があり、需要に応えてきた。


[編集] 現状

ターゲットを外国人に切り替えて経営を立て直した、谷中の「澤の屋旅館」。しばしばテレビなどのマスメディアで取り上げられる。宴会ブームの崩壊で、都心に近い観光地の高級旅館、ホテルは経営が苦しくなっているといわれ、ブームの最中に建設された施設の中には倒産や閉店に追い込まれた施設も出ている。都市部の旅館も、ビジネス客のビジネスホテルへのシフトや、少子化による修学旅行の減少やホテルへのシフトによって経営の苦しい施設が多く、ビジネスホテルに転じた施設が多い。

反面、宴会を主としない固定客を持つ者も多く、これらの多くはバブル期以前に建設された物が殆どである。安定した入り客があるため経営状態も安定している。固定客が多い為、大々的な広告を出さずとも経営の成り立っている旅館も多々ある。

古くからの旅館によっては経営者の高齢化が進み、少子化の影響で後継者が出来ず、次世代の代替わりが行えない業者も出ている。収支面では経営が成り立っていても、後継者問題で閉店になるケースも見受けられる。

特殊なケースでは、和室の低価格宿泊施設(いわばB&B)を売りに外国人や学生合宿を主なターゲットに切り替え、成功を収めたところもある。


[編集] 自炊旅館
温泉街には通常の旅館の他に、自炊旅館が存在する。これは、宿泊場所を提供するだけでその他のサービスを省くことにより、湯治のために長期滞在できる旅館のことである(「湯治」目的を除けば、外国でのコンドミニアム、あるいは日本の短期賃貸マンションに似ている)。温泉街には歓楽的なものと古くからの湯治場と二つの場所があり、湯治場には温泉病院や自炊旅館がある。自炊専用旅館でなくても、普通の旅館に「自炊部」を設けている旅館もある。

自炊旅館は旅館部屋を賃貸アパートのように貸し出すが、1泊単位で宿泊料金が決まっており、宿泊期間は個人差ががるが、大抵1週間以上から長くて2ヶ月程度である。入浴料と電気代は宿泊料金に含まれているが、それ以外の布団貸し出し料(布団持込の場合は不要)、冬季ならコタツ、ストーブなどの暖房器具貸し出し料、炊事用にコンロ利用のためのガス代を徴収される。滞在中の部屋の掃除は行われないので、宿泊者自身で行う。洗濯は館内にあるコイン式洗濯機を利用する。

旅館には館内に売店があり、調味料や缶詰などの食料類や石鹸や洗濯洗剤がおいてある。肉・魚・豆腐などの生鮮食料品は外部の業者が移動販売に来るのを利用する。


[編集] 温泉旅館の不振の原因
旅館のうち、温泉旅館の大半は、不振が続いている。ここでは温泉旅館に特有の不振の原因について順不同で挙げてみよう。


[編集] 旅行形態の変化
旅行の形態が職場や地域、農協等の団体旅行から、家族、友人・知人、母娘などの個人・小グループ中心へと移っている。もはや、「社内旅行」が死語となっている企業も少なくない。大部屋に詰め込めば利益になるという仕組みがあだになっている。(部屋という空間を売る商売であることから、一定の空間に多くの客を入れる程収益は上がる。)


[編集] 宴会離れ
温泉旅館といえば、団体での宴会がつきものである。

宴会は盛り上がると自然とアルコール類の消費が多くなる。これが温泉旅館にとっては結構収益として大きかった。また、供される料理もとにかく見た目の美しさを重視した盛り付けのみでよかった。大皿に多量の料理を盛ったものでも通用したのである。宴会場に並べておけばよいので、効率も良い。多量一括仕入れでコストダウンも可能である。それに、泥酔すれば酒類も銘柄に構わなくなり、良質で高価な酒類でなくとも十分である。ところが、少人数だとアルコール類もあまり進まない。料理にも、素材、調理、盛り付け、器に配慮が問われる。部屋食には、上げ下げの手間もかかる。

加えて、1990年代、マスコミなどで官官接待などが非難の対象になると一気に宴会ブームが去ってしまった。この為、大量の顧客を逃す事となっている。


[編集] 食事へのニーズ
食事は旅館のお仕着せの宴会料理や会席料理ではなく、洋食や中華も含めて、盛り沢山でもなくとも自分の好みに合ったものを摂りたいという宿泊客の志向がある。旅館の定型どおりの食事はこのニーズに対応できていない。結局、ホテルや民宿等に客が逸走する事態が起こっている。しかし、旅館周辺で調達できない食材を要求すると、当然料金に跳ね返ることになるし、都会から離れた旅館に来てまで、都会と同じものを食べなくてはならないのかと言い分もある。

温泉旅館のパンフレットをみてもわかるとおり、とにかく、品数・皿数などの豪華さを競う風潮から抜け出せていない。ただ、老朽化・陳腐化するなど、施設やサービスなどに特色を出しにくい旅館の場合、どうしても品数を競うことに走りがちである。

なお、旅館宿泊者は「泊食分離」を求めているとの指摘もあるが、より正確には、料金の内訳明細の開示を求めるニーズと理解すべきとの意見もある。実際にはエージェントが料理内容を固定化していることが多く、料理の多彩なホテル、仕入れを容易にコントロールできる民宿などに顧客を取られている。


[編集] 心を癒せない景観
宴会を主とすると「温泉」はいわば添え物であり、温泉街は夜の時間を過ごす空間であった。そのため、外見等にはあまり構わず旅館は拡張競争を繰り広げてきたため、複雑怪奇なコンクリートの姿をむき出しにしており、景観を阻害している。夕方旅館に着いて、即宴会、就寝。朝、食事後あわただしく出発というかつての旅行パターンならこれでもよいが、ゆっくりと温泉街を散策したいという志向には応えられていない。

由布院温泉、黒川温泉など、繁栄を続けている温泉地を見れば、植栽や林野に富む風景など、情趣の感じられる景観の重要性は明らかである。また、古民家的な物や、特異な地形に立つなどコンクリートの建物自体がノスタルジックな物としてカメラマンなどにより位置づけられている場合は文化的な景観としての情緒があるため、テレビ取材等も多く、上記には該当しない。


[編集] 温泉の質への疑問
白骨温泉をきっかけとした温泉偽装問題、各地の公営温浴施設におけるレジオネラ菌の問題をきっかけとして、利用客は泉質に厳しい眼を注いでいる。巨大旅館の場合、露天風呂など「器」の凝りようや豪華さは競うが、泉質については不利さは否めない。源泉の容量には限りがあり、配湯は組合や自治体等が行っていることが多い。昔からの配湯の権利の問題があり、抜本的な改善(源泉掛け流しとする等)は難しい。(これが伊香保温泉における泉質「偽装」の一つの要因であった)


[編集] 湯の町情緒の劣化
かつては温泉街には、共同浴場があり、そのまわりを温泉旅館が囲み、さらにその周囲に土産物店、飲食店、あるいは少し離れた場所や路地に歓楽街や風俗営業店までもが建ち並んでいた。しかしながら、温泉旅館の不振と共にこうした小規模施設も廃業が続き、なかには廃屋同然の建物が並ぶエリアもみられるようになってきた。

これらの多くは経営者の高齢化による経営意欲の低下、後継者難に加え、建築基準との関係で新店舗の建設がしにくいことも指摘される。新店舗の建設の場合、建坪率が厳しくなることが多く、従来の建坪率では建設が困難なことが多い。このため、建物の更新ができず老朽化するに任せる状態とならざるを得ずない。こうした新店舗の建設難からの廃業が増える事となる。これがさらに情緒を阻害し、悪循環となっている。


[編集] エージェント依存、インターネット対応の遅れ
温泉旅館は伝統的な宿泊施設であることから旅行エージェントとの関係は深く、持ちつ持たれつの関係を築いてきた。ところが、旅行者のインターネット対応が進み、エアラインやビジネス系のホテルのように、サイトを通じた予約等が特殊なものでなくなっていくに連れて、エージェントとの関係やエージェント側に有利とされる商慣行がかえって足かせとなっている。巨艦を誇る旅館ほど、安定的にお客を確保するため、取次手数料が経営上決して軽くはない水準にあるものの、エージェントとの関係を希薄化しづらい。結局、ホテル等のインターネット対応の進んだ競合者にお客は流れている。


[編集] 過剰借入れ
温泉旅館は季節変動もあり、もともと高収益な事業構造ではないが、施設・設備の更新競争・大型化のため、借入を重ねてきた。エージェントもそれを推奨してきた。また、金融機関も地域の有力な地場産業として貸し込んできた。このため、一般に借入過剰となっている。超低金利が続く間はよいが、借入金利が上昇すると金利負担が経営の重石になる。地価下落で担保価値の目減りも不安材料である。

各地の温泉旅館の再生事例にもあるように、状況を打破するためには、もちろん経営者の経営責任追及は不可欠であるが、ある程度の債権放棄も考慮する必要があろう。


[編集] 新興温泉地の乱立
温泉その物の掘削技術が上がったため、安価で掘削が可能となった。日本では、たいていの所では1000mから2000m程度掘削すれば温泉が湧出すると言われている。掘削業者も全国にあり、成果払い方式で受注することが多い。掘削料金で言えば1億円から2億円の相場であるが、竹下内閣のふるさと創生資金などを活用し、多くの自治体で温泉が掘削された。法に定める「温泉」の基準が緩やかであるため、こうした傾向に拍車をかけている。こうした温泉による外来入浴のできる施設、正しくは温浴施設と呼ぶべきものもあるが、これらは当然、浴槽を含めた施設も新しく、豪華で、日帰り中心であり、料金も高くない。このため、古くからの温泉地というだけでは温泉旅館はお客を呼ぶことは難しくなった。

もちろん、各地の温浴施設の繁盛、部屋数10〜20と決して大規模ではないが人気で予約をとりにくい温泉旅館もある。結局、日本人は温泉そのものに飽きたのではなく、情緒の乏しいコンクリートだらけの温泉、食事も入浴も時間を指定されるサービス精神の乏しい温泉旅館に愛想をつかしていると言えよう。


[編集] 旅館をメインにした作品
私を旅館に連れてって - 2001年4月
どんど晴れ - 2007年4月

[編集] 関連項目
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宿泊施設
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民宿
政府登録国際観光旅館
特定建築物 - 日本の旅館施設の環境衛生等に関する規定

引用:Wikipedia